高いCO2濃度、どうやって下げる?

もってぃです。
最近、週末に小さなロケットを作りました。
それはそれとして、
今回は前回の記事(二酸化炭素濃度を可視化して、現場の作業効率を向上!)の続編です。

前回のあらすじ:課題抽出+データ収集


弊社には、睡魔に襲われる、また酸素濃度が低そうな会議室があり、
なんとか解決して仕事を効率よくこなしたい!という願いがスタッフにありました。

そこで、本当に労働環境の問題なのか、
なんらかの対策を講じなければいけないレベルなのか判断すべく、
CO2濃度センサを設置して基礎データを収集しました。

その結果は、CO2濃度は全般的に高めで、
特に会議室は1800ppmと、
健康になんらかの影響がでてもおかしくない状況である
というものでした。

今回は、高濃度であった会議室についてCO2濃度を下げる方法を考えます。

数値シミュレーションの出番!

しっかりデータがとれている環境下で力を発揮する手法は
・AI/機械学習
・数値シミュレーション
です。
今回は後者の数値シミュレーションを使います。
数値シミュレーションソフトとして、
今回は「ANSYS Fluent(アンシス フルーエント)」を使用します。
「ANSYS Fluent」とは、空気や水などの流体をシミュレーションするソフトウエアです。

ドアを開ける

CO2濃度を下げる手法として、
真っ先に思いついたのは
「ドアを開ける」
さあ、上手くいくでしょうか。

今回使った会議室モデルは、こんな感じ。

床からは一様に、参加者9人分のCO2が発生していると仮定しました。

初めは、ドアは閉まっています。
このとき、人の口/鼻の高さで
会議室を上から見ると、CO2濃度の分布はこんな感じです。

二酸化炭素濃度は全域で、計測した値と同じ1800ppmとなっているのがわかりますね。

では、ドアを開けてみましょう。

劇的に変わっているかもしれませんから、
よ~く見てくださいね。

1、

2、

3、

はいっ。

あれっ。
変わってない。
全く効果がないみたいですね。

なぜですかね?

実は
ドアを開けると、確かにCO2はドアから外に出ていくのですが、
風が吹いていないために、その排出量は、会議室のCO2濃度のわずか0.2%しかないんです。
従って、結果として室内のCO2濃度はほとんど減少しません。

ドアを開け、サーキュレーターをつける

そこで、ドアを開けるだけでなく、
ドアの反対側にサーキュレーターを設置して風を送り、CO2をしっかりと排気できるようにします。

モデルはこんな感じ。

サーキュレーターの風速は「強」を想定しました。

さあワクワクしながら、結果を見てみましょう。

着席時の人の口の高さでCO2濃度は、、、ジャーン。

おおおー。
サーキュレーター付近のCO2濃度は1000 ppm
ドア付近でも1200ppmとなっております。
1000ppmとは、人にとって快適な環境の数値です。
だいぶ良好な環境になりそうです。

壁付近は一部1800ppmと濃度が高い場所(赤い場所)がありますね。
ちょっと気になりますね。
こんなときはサーキュレーターをそちらの方向に向ければいいんです。
30度傾けてみた結果がこちら。

おっ。ちゃんと減りましたね。

まとめると、
ドアを開け、「強」のサーキュレーターを±30度首振り運動させると、
CO2濃度は1800ppmから1000-1200ppm程度まで減少し、
快適に仕事できそうということになります。

注意点

この結論を一般論として使うのはやや危険です。
この結果はあくまでも弊社のとある会議室の結果だからです。
一般的には、
1、部屋の大きさや形状によって結果が大きく変わります。
例えば、弊社の会議室よりも大きければ、サーキュレーター1個ではCO2濃度は全然下がりません。

2、部屋のCO2濃度によって結果が大きく変わります。
CO2濃度がより高い環境下では、1個のサーキュレーターだけで健康的な濃度まで下げるのは難しそうです。

従って厳密には、部屋ごとに数値シミュレーションする必要があります。

まとめ

高いCO2濃度にある会議室について数値シミュレーションを行ったところ、
「サーキュレーターの設置+ドア開く」
という解決策が有効であることがわかりました。
次は、「解決策を実践する」のフェーズ。

果たして実践されるのでしょうか???

今後に注目です。

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