企業側から見た、学歴ロンダリングについて

企業側から見た、学歴ロンダリングについて

こんにちは!
採用担当の池田です。

内定辞退の方法についての記事を見かけたのでそれについれ触れたいと思います。

内定辞退の方法は毎年のように議論になるので、就活生側にとってはもちろんですが、企業側にとっても正解がないような印象です。

ただ私の中の結論としては、「どんなやり方でもOK」になります。

私が就活生時代は、都市伝説のように、

  • 内定辞退を直接会社に伝えに行くと、怖いおじさん複数名に監禁されて、5時間説教された
  • コーヒーをかけられた
  • 「君の入社先は弊社(内定辞退企業)と取引があるから入社後は気を付けたほうが良い」と脅された

みたいな話を聞いたので、おそらく今の就活生はこの種の話を聞いて慎重になっているのでしょう。

採用している立場から言えば、大前提として新卒採用時期は忙しいので、わざわざ本社に呼んで説教する暇はありません。
というか説教して就活生の意志や考えが変わってくれるのであれば方法として考えなくもないですが、明らかに無理ゲーでしょう(笑)

またコーヒーをかけたり、脅し文句をしようもんならそれこそ犯罪になるので、まず絶対にしません。
特に今の時代は、就活生が面接のやり取りを録音していることも珍しくないので、下手なことを言おうもんなら、それこそ自社および自分の評判は大きく下がるだけですしね。

もちろん採用担当者も人間なので、感情的な対応をしてしまうことは一定数あるのかもしれませんが、基本的に辞退するときはメール1本入れれば十分ですよ。

たまに電話を頂ける方もいるのですが、残念ながら電話は取れないことの方が多いので、私としてはあまり望みません。

ただ、内定辞退関連で困ることが、内定後に連絡が取れなくなる場合。
幸い、弊社では今のところありませんが、数百名を超える採用規模の企業だと、毎年数名レベルで連絡が取れなくなることがあるのもまた事実。

入社するのか辞退するのかが分からないと、企業側としては単純に手間が掛かるので嫌ですよね。

もし辞退を決心した場合は、速やかにメール連絡でOK、まだ迷っている場合はその旨をメールで伝えればOKなだけなので、いわゆる社会人のルールとして最低限の意思疎通を守って頂くことは心掛けたほうが良いかもしれません。

さて、今回は学歴に関することについて触れたいと思います。

学歴ロンダリングとは

もしかすると初めて聞く方もいるかもしれない「学歴ロンダリング」というワード。

マネーロンダリングは有名だと思いますが、それの学歴版があることは意外に知られていないかもしれません。

というよりそもそも正式な言葉ではなく、ネットスラング系なので知らなくて当然ですかね(笑)

意味合いとしては、
大学院進学の際に、自身の出身大学よりも偏差値として更に上のレベルの大学院に進学すること
になります。

基本的にビジネスの世界で過去の経歴は関係ないという建前はあるものの、実際は関係してくる部分はあるわけです。
ただその際に注目するのはあくまで最終学歴なので、そこを利用して学歴をよく見せるのも可能ということ。

例えば私は筑波大学ですが、東京大学大学院に進学すれば、私は「東大卒」と名乗れるわけです。

ただ、”東大なら大学院でも難しいでしょ”と思われる方が多いかもしれませんが、いわゆる学部入試と違い大学院入試は比較的簡単である理由が存在します。

まず単純に試験内容が簡単です。そもそも院試は落とすための試験ではないですし、大学学部入試のように膨大な範囲かつ高難度の問題を解かなければいけないわけではないので、学部でしっかり勉強してきた方であれば1,2ヶ月程度の期間で対策すれば十分に合格水準に達するようです。

また定員の関係もあり、それなりの人数を受け入れるところは旧帝大でも定員割れしているところも普通に存在します。
単純に倍率が下がるので、学部受験と比較すると受かりやすいのでしょう。

さらに外部枠(他大学出身の方だけの枠)を設けているところもあるので、そうなるとさらに倍率が下がることも十分に考えられ、このような背景から“学部入試に比べると”東大などの旧帝大と言われるランクの大学院にも受かりやすい実態があります。

このような内情を知っている大学生は多いので、学部受験で失敗した方やそもそも学歴コンプレックスを抱えている方は通っている大学よりも“良い”大学院に行く方は一定数存在しているのです。

学歴ロンダリングは就活において有利となるのか

多くの学歴ロンダリング当事者の方にとって不安なのが、
履歴書を見れば学歴ロンダリングしていることは明らかだから、就活において有利にならないのではないか
ということ。

まず大前提として、
>就活において、学歴は重要なのか
という議論がありますが、選択肢を広げるという意味では明らかに重要でしょう。

これについては多くの記事で触れられているので詳細は割愛しますが、超人気企業の場合は落とす選考をしなければならず、そのための要素として学歴が重要であることは言うまでもありませんよね。

そのような前提において、冒頭の不安にお答えすると、
有利になるかは断言できないものの、不利になることはない
になります。

というのも、企業が学歴を見る際は、あくまで最終学歴に注目することがほとんどだからです。
特に学歴は選考の初期(エントリーシート等)で注目することが多いですが、その場合にはそれこそ最終学歴しか書かせないところも多いので、学歴ロンダリングしているのか否かすら分からない場合も多々あります。

それこそ面接に進んだ際に履歴書を出したり、会話する中で初めて、
この候補者は大学と大学院を変えているのか(学歴ロンダリングしているのか)
と知ることも多々あるわけです。

このような背景を踏まえると、学歴ロンダリングすることで不利になることはそもそも考えにくく、むしろ学歴を重要視する企業を希望する場合はプラスに働くことが多いので、有意義な一手となる可能性が十分にあります。

実際に私の大学時代(筑波大学)の友人は、東大の大学院に進学し、東大卒が大多数を占める金融機関に見事就職していました。
ちなみにその金融機関は、筑波大学から就職した方は過去誰もいないので、学歴ロンダリングしたことが大いに功を奏したのでしょう。

大学編入という道も

学歴ロンダリングというと、多くの場合が大学から大学院にステージを上げる際に使われるワードですが、実はそれ以外でも方法はあります。

それが大学編入。

読んで時のごとく、途中から大学に入学することを指しますが、四年制大学の学生が、2年生から3年生に進級するタイミングで別の大学に3年制として入学するパターンや、短大生が卒業と同時に四年制大学の3年生として入学するなどが該当します。

全ての大学が編入学を受け付けているわけではありませんが、いわゆる旧帝大でも受け入れている大学も多くあるので、大学受験の時に浪人が出来なかった方や、短大に進学したもののやっぱり四年制大学を卒業したいという想いを持った方にとっては非常にオススメの方法です。

そういえば母校の筑波大学でも編入学を受け付けているのですが、私が大学3年生に進級した後に受けた授業で、急に見慣れない顔の方が増えていたことを鮮明に覚えています。

高校までと違って大学の場合は自由に授業を選択できるので、授業ごとに出席するメンバーが変わるのが普通ですが、とは言え大体同じ顔ぶれになるのもまた事実。

ただ3年生の授業になると、どうも知らない顔ぶれの人たちが教室の前の方に座り、熱心に授業を聞いているのが目について、
あれ?あんな人達いたかな。他の学部の人達かな?
と最初は思ったのですが、グループワーク等で一緒になって色々話す内に、どうやら編入という制度を使って3年生から新しく入学したことが分かりました。

その時に初めて編入制度という存在を知ったのですが、おそらくその制度を知らない方々は相当数いると思っています。

学歴の話は個人的にあまり好きではないのですが、最終学歴が見られる日本においては大学受験という方法以外にも方法があることをお伝えしたいと思い書かせて頂きました。

ただこういう情報って、本来高校生のときに教えて欲しかったなーと思うんですよね。
就活やキャリアに関してもそうですが、高校の時ってそれこそ大学受験に受かるための方法についてしか学べなかったので、非常にもったいないなと。

もちろん、学歴が全てではないですし、高校で学歴ロンダリングを伝えることで様々な批判があるかもしれませんが、そういうことを含めても高校生が知ることって重要ではないかなと。

“あり をり はべり いまそかり”
という訳のわからない暗唱をさせられた古文の授業や、ただデッサンをするだけの美術の授業よりもよっぽど意義のある内容だと思うのは私だけでしょうか(笑)

最近の記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
  • 特集記事

アーカイブ

カテゴリー

PAGE TOP